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労務安全について
感心しない対策事例の検証
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災害が発生すると、再発防止対策を検討します。しかし多くの組織では、災害の直前の状態や、エラーにばかり目を奪われて、その対策に夢中になっています。災害がどうにも避けられない場面を「災害不可避点」といいますが、災害発生の直前の状態やエラーの防止だけでよいのでしょうか?エラーはさまざまな形で発生し、そのどれかが災害の結果としてあることを忘れてはなりません。直前のエラー防止のみでは、同種の災害は防止できません。
「事故事象の連鎖」で述べたように災害は単一のエラーや不安全な事象だけでは、めったに発生しません。その作業で起こりうる事象やエラーをこれでもかというくらい掘り起こして、その対策をたてる必要があります。上っ面の対策など災害防止には、ほとんど期待出来ないのだと認識しましょう。 - エラーの発生に起因した状況より、エラーをした、あるいはエラーをさせてしまった人間のみに注目している。そんなことはありませんか?エラーにはその発生した状況(どんな作業のなかで、どんな心理で、どんな環境のなかでなど)は多岐にわたっているにもかかわらず、状況の分析をおろそかにして、人にその原因を求め、責任を追及しがちです。それでは真の原因が見えません。したがって、同じ災害がまた発生します。「人間は必ずエラーをする」このことは、このシリーズで何度と無く伝えてきています。「そのエラーはどんな状況で発生したか」このことを検証しなければ再発防止に全く役立たないとおもいます。「誰が悪い」より「何故おきたか」に力をいれましょう。
- 災害防止の報告書作成・提出で災害の嵐が過ぎ去ったとの勘違いをしていませんか?報告書の中で「水平展開をいたします」と記述していませんか? 報告書を作成して提出しても、そこに書かれたことを実行しなければ絵に描いた餅。どなたも知っていることです。しかし本当に実行されているかを考えてください。「水平展開」とは、関係者全てに知らしめて、同様の災害が起きない行動を言います。一度、伝えれば終わりなどではありません。同じ作業が行われるとき、似たような状況が発生しそうなときに、必ず繰り返し伝達し、注意を喚起することです。これからは本当の意味での水平展開をしていきましょう。
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