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エラー
私たちの脳は、どんな優れたコンピュータにもない優れた能力を持っています。しかしかえってその優れた脳の構造が、私たちの間違い(エラー)を引き起こしているといわれています。その理由として、脳にその仕事に関する情報が不足していても、過去の経験や知識をもとに、自分の都合の良いように瞬時に、「こうなるだろう」とか、「これで大丈夫」とか判断をしてしまうからなのです。過去においての研究で、人間の間違える確率は、仮に電話のダイヤル回しで20回に1回、単純な繰り返し作業で100回に1回と意外に高い確率が示されていました。しかし、そんなに間違えを起こすのに人間社会がうまく機能しているのは何故でしょうか? それは私たち人間は間違い(エラー)を犯すことを経験的に知っていて、間違えても、そのほとんどを修正しているからです。 間違いを見つけるには3つの方法が有ると言われています。
①自分で見つける
②周囲の仲間が見つける
③結果による発見
私たちが間違いを犯すとき、間違えているという意識はありません。結果から間違えたということを後でわかることが多いのです。ヒューマンエラーをゼロにすることは出来ないかもしれません。しかし出来るだけ早くに間違いに気づき災害に結びつかないように、仕事の手順チェックの繰り返しをして信頼度を高めてください。
低所からの墜落災害事例集によると、墜落転落災害の高さ別で、なんと6割が3.6m以下で発生しています。そのうち1.8m以下の脚立などからは3割です。3.6mといえば枠組足場の2段目に該当しますね。この高さではどうしても油断が生じてしまいがちです。教育ビデオで「1mは一命をとる」が有名ですが、まさに私たちはもろい人体構造のまま、作業を行なっていることを忘れずにいてください。 それほど危険ではないと感じる高さこそ、危険だという逆説は真実なのです。
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