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労務安全について
安全施工サイクルの検証3
⑦安全巡視は見落としの無い気構えで行われているか?
1.安全当番による安全巡視
元請職員、職長による安全巡視が行なわれていますが、不具合を見つけ出そうとの意識が、あまり感じとれません。巡視者は設備の不具合や、朝礼での指示の順守状況や安全な作業行動が行なわれているか、危険予知活動から導き出された作業員の行動目標等が守られているかを巡視すべきなのに、手ぶらで巡視をしているのは何故か理解出来ません。
設備の不具合は発見することは出来ても、その他の行動災害を防止するためには、作業員が正しい作業方法で行っているか、あるいは自分たちで決めた危険予知からの行動を行っているかは、それぞれの危険予知活動記録を持ちながら巡視をしなければ、危険を指摘出来ないのではないでしょうか?巡視に見落としは許されないと言う気構えを是非持ってください。
2.統括安全衛生責任者による安全巡視
統括安全衛生責任者は日に1回以上の安全巡視を行うことが定められています。
この巡視は安全衛生の状況のみを巡視することになっていますが、なかには工事の進捗状況を確認することと勘違いしている、或いは工事と安全を同時に巡視しようとしている責任者が存在しています。統括安全衛生責任者の巡視は安全衛生法に職務として定められている通り、全く安全衛生の目的で行なわれなければなりません。その際、作業所全体の安全衛生状態を確認・是正するために、チェックすべき用紙を持って巡視すべきと思います。単なる巡回となることを避けなければなりません。
⑧作業の連絡調整・安全指示に漏れはないか?
標準的な安全施工サイクル活動では、午後、翌日に行われる作業に関して統括安全衛生責任者は、各職種の職長を招集して作業の打合せを行い、併せて、作業から予測される労働災害を防止する安全上の指示を行います。建設業の特殊性の一つに混在作業が挙げられますが、これから発生する危険を回避するためには欠かすことの出来ない連絡調整です。このことは元請・下請けを問わず意識していなければなりません。工期に追われてくると、参加すべき職長が不在でも(忙しくて作業優先のため参加出来ない)打合せを行っている作業所がありますが、大きな安全欠陥と思われます。参加出来ない職長には、「後で決定事項を伝えれば済む」この考えが出てきたら作業所の安全は危険水域だと認識してください。混在する各作業からどんな危険が潜んでいるか?どのようにして、その危険を低減・回避するかは、作業を行う職種の職長が参加し、意見を述べ合うことによって初めて有効な方法が見出せるのではないでしょうか?
元請だけが安全を考えるのでは無く、第一線管理監督者の職長も主役としてその役割を果たすべきと考えます。職長は作業の連絡調整の際に、自分たちの作業が他職に及ぼす危険を意識してください。元請からの指示だけの作業連絡調整では効果はさほど無いと思います。聞くだけの職長は自分の部下の信頼は得られません。「元請だけに命を委ねない」との気概を持って打合せに臨んでいますか?
⑨片づけ・復旧は行われているか?
週間の安全施工サイクル活動に一斉片付けがあるせいか、毎日の作業終了時の片付けが疎かになっている作業所を見かけます。安全設備が当初の状態から逸脱していても放置されている作業所に出会うことがあります。「誰かが片付けるだろう」「誰かが気がつけば直すだろう」自分たちだけが作業をしている訳ではない混在作業の欠点です。「後片付け」の意識から脱却すべきです。「後でやる」その意識が結局のところ作業所が残材だらけとなったり、不安全状態を作りだしたりしているのです。「その場片付け」を励行していたら、「その場復旧」をしていたら、作業しやすい安全な作業所に変化して行けそうな気がします。
⑩確認行為をしているか?
その日の作業が終わったら、職長は必ず作業場所を見て廻り、設備や施錠、火気などの状態を確認しなければなりません。異常があれば元請に速やかに報告する。これも職長教育で学習したことですが、行っているでしょうか?また元請は職長まかせにしていないでしょうか?両者共に作業終了後の状態が必要な措置がなされていること、危険な状態がないことを確認してください。
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